こどもの花粉症は増えているの?
お子様の間で花粉症は増加傾向にあり、5~9歳のお子様のうち30%程度がスギ花粉症にかかっていると言われています。
小さなお子様の場合、花粉症のつらい症状を上手く伝えられないため、まわりにいる保護者の方がいち早く異変に気づいて、治療を開始することが重要となります。
こどもの花粉症の特徴について
大人の花粉症と同じく、お子様の花粉症でもくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れます。
ただ、大人と違うのはこうした症状を言葉で上手く伝えられないことで、早期発見・早期治療のためには保護者の方の気づきが大事です。
春先などの花粉の流行時期に熱はないのに頻繁にくしゃみをしているようでしたら、花粉症の疑いがあります。
こどもの花粉症を疑うべき症状
- 何度も鼻をすする
- 鼻を気にしている
- 呼吸が苦しそう(口呼吸をしている)
- 寝ている時、いびきをかく
- 頻繁に目をかく
こども特有の症状も注意して観察してください
お子様特有の花粉症の症状として、次のようなものがあります。
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鼻をすするなどの症状
小さなお子様は鼻をかむ習慣がないため、花粉症になるとよく鼻をすするようになります。
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他の病気を発症・悪化させやすい
花粉症をきっかけに中耳炎や副鼻腔炎などを発症・悪化させやすくなります。
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自然には治らない
花粉症は自然に治ることはありませんので、早くに適切な検査・治療を受けさせてあげることが大事です
こどもの花粉症の検査と治療
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検査
血液検査(IgE、特異的IgEなど)の検査を行って、花粉症かどうか診断します。
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治療
基本的に花粉をできるだけ避ける生活を心がけて、それでも症状が改善しないようなら抗アレルギー剤の内服・点鼻薬・点眼薬などのお薬を使って治療します。
舌下免疫療法
スギ花粉症の治療方法に舌下免疫療法があり、これは少量のアレルゲン(アレルギーの原因物質)を少しずつ投与することで、アレルゲンに体を慣れさせていくという方法です。
3~5年間と長期の治療が必要になりますが、スギ花粉症が根治可能な唯一の治療方法とされています。
花粉症の薬が与えるこどもの身体への影響は大丈夫?
基本的に病院で処方される花粉症のお薬は安全なものですが、副作用の可能性はゼロではありませんので、用法・用量を守って正しく使用するようにしましょう。
アレルギー性鼻炎・花粉症は遺伝するの?
「自分も花粉症なので、遺伝しないか心配」という保護者の方もおられると思いますが、環境によるところは大きいものの、花粉症は遺伝する可能性があります。
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スギ花粉について
戦後に植林されたスギが放置されたことにより、現在、日本国土の10%以上がスギとなっています。こうした影響から1990年代の半ばからスギ花粉症は増加傾向にあります。
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ヒノキ花粉について
スギに次いで植林数が多いのがヒノキで、ヒノキ花粉のアレルゲンがスギ花粉と高い相同性を示すことから、スギ花粉症がある方はヒノキ花粉症でもある確率が高いです。